怪談ライブの出演者を誰にするか。
この問いに対して、
最初から決まっていた人がいる。
——牛抱せん夏さん
今回の企画において、
単なる出演者という位置づけではない。
むしろ、この人がいなければ、
この企画自体が存在していなかった可能性がある。
そもそものきっかけは、
「地域の怪談を集めてほしい」という一言だった。
地域に眠っている話。
語られていないストーリー。
それを集めることに意味があるのではないか。
その発想が、
後の百物語システムにつながっていく。
つまり、このプロジェクトの原点にある考え方は、
ここから始まっている。
そういう意味で、
今回の企画の“起点”になる存在だった。
もう一つの理由は、距離ではなく“文脈”だった。
地元が近いということは、
この土地の祭りに立つことに違和感がないということ。
外から呼ぶだけではなく、
この場所に立つことに意味がある。
茂原という場所でやる七夕。
その中で語られる怪談。
その組み合わせに対して、
自然に成立する関係性があるかどうか。
そこは意識した。
さらに、初期の段階から
この企画に対して前向きに捉えてもらえたこと。
まだ何も形になっていない状態。
成功するかどうかも分からない段階。
それでも、面白がってもらえた。
この“最初の温度”は大きい。
新しいことは、最初の数人で決まる。
疑いから入るのか。
面白がるところから入るのか。
その差は、そのまま全体に広がる。
今回の場合は、後者だった。
だからこそ、最初に声をかけた。
そして、最初に置いた。
結果として、
この企画の流れはここからできている。
単に出演してもらうという話ではない。
この企画そのものとつながっている存在。
それが、この人を選んだ理由だった。
