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ホームストーリー百物語_壱第3話
第3話
夜の百物語

二つの影

第3話 / 100話まであと97話

2026/4/16約1分で読めます

外房の田んぼ道は、夜になると本当に暗い。

街灯もまばらで、月明かりがなければ、自分の足元すら見えない。そんな道を、帰り道に歩いていたときのことだ。

ふと足元を見ると、違和感に気づいた。

影が、二つある。

街灯は一つしかない。なのに、自分の影が二方向に伸びている。

最初は目の錯覚かと思った。だが歩くと、影も一緒に動く。

問題は、その動き方だった。

一つは自分と完全に同期している。だがもう一つは、わずかに遅れて動いている。

一歩遅れて。

試しに立ち止まる。

すると、一つの影だけが、もう一歩進んだ。

ゆっくりと振り返る。

そこには何もない。

だが足元の影だけが、確実に“もう一人分”存在している。

その日は走って帰った。

それ以来、夜の田んぼ道では、自分の影を見ないようにしている。

もし、また二つあったら——今度はどちらが自分なのか、分からなくなりそうで。

#外房,田んぼ,夜道,影,異常,恐怖

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