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ホームストーリー百物語_壱第2話
第2話
夜の百物語

写り込んだもの

第2話 / 100話まであと98話

2026/4/16約2分で読めます

茂原の住宅街にある古い家を、知人が相続したというので、内覧に付き合ったことがある。

築年数はかなり古く、誰も住まなくなってから数年は経っているらしかった。玄関を開けた瞬間、独特の匂いがした。湿気と、長く閉ざされた空気の匂いだ。

問題は、仏間だった。

古びた仏壇の横に、一枚の写真が立てかけられていた。家族写真だろう。白黒で、少し色あせている。写っているのは、どこにでもいそうな家族だった。

ただ一人を除いて。

写真の一番端に写っている男だけが、明らかにこちらを見ていた。

真正面から。

他の人間は普通にカメラを見ているのに、その男だけは“こちら”を見ている。言葉にしにくいが、視線が合うというより、「気づいている」ような目だった。

気味が悪くなり、その場を離れた。

その日はそれで終わった。

だが翌日、知人から連絡が来た。

「昨日の写真、変なんだけど」

送られてきた画像を見て、息が止まった。

あの写真に——

自分が写っていた。

しかも、あの男の隣に立って、同じようにこちらを見ていた。

その家には、二度と行っていない。

#茂原,古民家,写真,仏壇,視線,怪異

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