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第11話
夜の百物語

黒板に書かれた名前

第11話 / 100話まであと89話

2026/4/16約2分で読めます

茂原の外れに、使われなくなった小学校がある。

立ち入り禁止にはなっているが、地元では有名な場所で、肝試しに入る人も少なくない。私も、その一人だった。

校舎の中は思った以上にきれいで、まるでつい最近まで使われていたかのようだった。

教室に入る。

そこにあった黒板を見て、足が止まった。

名前が書かれている。

白いチョークで、はっきりと。

それは——自分の名前だった。

冗談だと思った。誰かの仕込みかと疑った。だが、その字には見覚えがなかった。

気味が悪くなり、黒板消しで消す。

きれいに消えたのを確認し、教室を出た。

その日はそれで終わった。

だが翌朝、違和感に気づく。

手のひらに、白い粉がついている。

チョークの粉だ。

指でこすると、確かにあの感触だった。

そして、妙な確信があった。

あの黒板には、また書かれている。

今度は、消したはずの名前が——もっと濃く。

それ以来、あの場所には近づいていない。

自分の名前が、どこまで“残る”のか分からなくなる気がして。

#茂原,廃校,黒板,名前,チョーク,怪異

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