駅のトイレは、夜になると別の場所のようになる。個室に入ったとき、隣からノック音がした。「コン、コン」誰かいるのかと思い、返事をする。返ってこない。もう一度、ノック。だが、入っている気配はない。不気味になり、出ようとした。その瞬間——鍵が、内側から回った。開かない。外ではなく、内側から閉められている。隣の個室から、またノック。今度は、壁越しではなく——自分の背後から。