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ホームストーリー百物語_壱第68話
第68話
夜の百物語

夜のスーパーマーケット

第68話 / 100話まであと32話

2026/7/12約3分で読めます

これは自分が20代の時に体験したお話です。

当時自分はスーパーマーケットの魚屋で働いていました。

季節は5月のゴールデンウィーク期間

翌日の仕込みで夜遅くまで作業場に居ました。

『渡辺さんお先に失礼いたします』

レジのパートさんが帰られ、店内には自分1人きりになりました。

作業の続きをしていると

不意に

「コツ、コツ、コツ」と

ハイヒールの足音が聞こえて来ました

自分が居る作業場から真っ直ぐ、店の出入り口付近に季節に似合わないロングコートを着た髪の長い女性が出入り口辺りを行ったり来たり歩いていました。

『何だろう?待ち合わせかな?』

視線を戻すと、今度は店の中で

「コツ、コツ、コツ」

と足音が響きました

「えっ?」

視線を出入り口付近に戻すと、先程は店の外に居た女性が店内に居ました

「えっ?なんで、、、」

と思っていたらふいに

『、、、ない、、、ない、、、ない』

と女性が呟く声が聞こえてきたんです。

流石にヤバい警察に電話をと店の裏の事務所に向かおうとしたら

『バタン!』と商品が落ちる音がして

そちらを振り向くと女性が自分を見ていました。

「ヤバい」

と思った瞬間

「カッ、カッ、カッ、カッ、カッ」

女性が長い髪を振り乱してこちらへ走ってきながら

『いない!いない!いない!』

と叫んで来たのです。

自分は恐怖のあまり店の裏口へ走りました、店の服装のまま警備会社の防犯システムを作動しドアから出た瞬間

『ドン!』

扉の窓ガラスに女性が顔を押し付け、血走った目で自分を睨みながら

『みーつけた』

自分は声にならない叫び声を上げて駐車場に停めてある自分の車に飛び乗り震えが止まりませんでした。

きっと人だ、どこか施錠がされてなくてそこから入って来たんだと

店の中に人が居るなら警備会社に連絡されて、警備員が来てくれるだろうと待ちましたが一向にくる事はありませんでした。

翌日、上司と施錠確認しましたが、どのドアも開いてませんでした。

あの女性は一体何を、いや誰を探していたのでしょう

今でも夜のスーパーマーケットの中で、誰かを探しているのかもしれません。

#怪談

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