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ホームストーリー百物語_壱第17話
第17話
夜の百物語

開かない扉

第17話 / 100話まであと83話

2026/4/16約1分で読めます

外房の海沿いに、もう使われていない工場がある。

地元では有名な肝試しスポットで、夜になると何人かが興味本位で入り込む。私も、その一人だった。

錆びた扉の前に立つ。中は真っ暗で、懐中電灯の光が飲み込まれるようだった。

そのとき、奥から声が聞こえた。

最初は、ただの反響音かと思った。だが違う。複数の人間が、普通に会話をしている。

「いや、それは違うだろ」

「いやいや、お前が——」

内容は曖昧だが、明らかに“会話”だった。

中に人がいるはずがない。

扉に耳を当てる。

その瞬間、会話が止まった。

そして、ひとつの声だけがはっきり聞こえた。

「次は、お前だ」

直後、扉が内側から激しく叩かれた。

慌てて逃げた。

後日、その場所を調べたが、工場は十年以上前から完全に閉鎖されているらしい。

それでも、夜になると“中では何かが続いている”。

そんな気がしてならない。

#外房#廃工場#声#肝試し#恐怖#密室

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