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ホームストーリー百物語_壱第20話
第20話
夜の百物語

空室の隣

第20話 / 100話まであと80話

2026/4/16約1分で読めます

茂原のビジネスホテルに泊まったときの話だ。

夜、隣の部屋から話し声が聞こえてきた。男女の会話のようだったが、内容ははっきりしない。

壁が薄いのかと思いながらも、少し気になってフロントに確認した。

「隣は空室です」

そう言われた。

部屋に戻る。

やはり、声は聞こえる。

今度はさっきよりも近い。

壁のすぐ向こうから。

耳を当てる。

その瞬間、声が止まった。

代わりに、何かが擦れる音。

次の瞬間——

壁から手が出てきた。

指先だけが、こちらに向かって伸びている。

慌てて後ろに下がる。

手は引っ込んだ。

その後、声は一切聞こえなくなった。

チェックアウトのとき、隣室のドアを見る。

ドアノブに、内側から付いたような傷があった。

まるで、外に出ようとした跡のように。

#茂原,ホテル,空室,壁,手,怪異

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