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ホームストーリー百物語_壱第59話
第59話
昼の百物語

現場が止まるのが、一番困るんです。

有限会社あきやま建材店

第59話 / 100話まであと41話

2026/6/8約2分で読めます
有限会社あきやま建材店

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「うちは建材屋ですから。」

そう言って笑う。

でも話を聞いていると、

単純に建材を売っている会社ではないことが分かる。

砂利。

セメント。

鉄筋。

ブロック。

どれも主役になることはない。

建物が完成した時、

誰も砂利を見ないし、

誰も鉄筋を褒めない。

だけど。

「無かったら工事できないんですよ。」

その一言に、

この仕事の本質が詰まっていた。

朝。

現場から電話が入る。

「今日中に持ってきてほしい。」

珍しい話ではない。

むしろ日常だ。

現場は予定通り進むとは限らない。

天気。

工程。

材料不足。

いろいろな理由で急な手配が必要になる。

そんな時に頼られるのが建材店だ。

「現場が止まるのが一番困るんです。」

建物を作っているのは職人さん。

私たちはその職人さんが仕事できるように支える側。

だから必要なものを、

必要な時に届ける。

ただそれだけなんです。

ただそれだけ。

そう言うけれど、

それが簡単ではない。

地域の現場を知り、

職人を知り、

必要な材料を把握し、

間に合わせる。

長年続いてきた理由は、

その積み重ねなのだろう。

完成した建物を見ると、

つい建築会社や職人に目がいく。

けれどその裏側には、

現場を支える人たちがいる。

今日もまた、

どこかの現場へ向かう一台のトラック。

有限会社あきやま建材店は、

建材を運んでいるのではない。

地域の仕事を止めないために走っている。

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