「うちは建材屋ですから。」
そう言って笑う。
でも話を聞いていると、
単純に建材を売っている会社ではないことが分かる。
砂利。
セメント。
鉄筋。
ブロック。
どれも主役になることはない。
建物が完成した時、
誰も砂利を見ないし、
誰も鉄筋を褒めない。
だけど。
「無かったら工事できないんですよ。」
その一言に、
この仕事の本質が詰まっていた。
朝。
現場から電話が入る。
「今日中に持ってきてほしい。」
珍しい話ではない。
むしろ日常だ。
現場は予定通り進むとは限らない。
天気。
工程。
材料不足。
いろいろな理由で急な手配が必要になる。
そんな時に頼られるのが建材店だ。
「現場が止まるのが一番困るんです。」
建物を作っているのは職人さん。
私たちはその職人さんが仕事できるように支える側。
だから必要なものを、
必要な時に届ける。
ただそれだけなんです。
ただそれだけ。
そう言うけれど、
それが簡単ではない。
地域の現場を知り、
職人を知り、
必要な材料を把握し、
間に合わせる。
長年続いてきた理由は、
その積み重ねなのだろう。
完成した建物を見ると、
つい建築会社や職人に目がいく。
けれどその裏側には、
現場を支える人たちがいる。
今日もまた、
どこかの現場へ向かう一台のトラック。
有限会社あきやま建材店は、
建材を運んでいるのではない。
地域の仕事を止めないために走っている。
