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夜の百物語

駅のベンチ

いつまでも待っている人

2024/4/11分で読めます

外房線のある無人駅に、古いベンチがある。

地元の人は、夕暮れ時にそのベンチに座らないという。

「誰かが座ってるから」

でも、見えるのは空のベンチだけ。

ある老人が教えてくれた。

「あれは、帰りを待ってる人なんだ。もう何十年も、ずっと」

誰を待っているのかは、誰も知らない。

ただ、その駅では今も、最終電車が通り過ぎた後に、

誰かがベンチに座る音が聞こえるという。

##怪談#外房線
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